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地方(新見)へ移住して迎える開業2年目

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●地方(新見)へ移住して迎える開業2年目

昨年、受験・移住・出産・開業の報告をさせて頂き、早一年が経ちました。業界の開業一年目の生存率が40%と言われる中、何とか夫婦で協力し合いながら立ち上げに成功し、お陰さまで開業二年目を迎える事が出来ました。しかし、開業三年目の生存率が10%、開業十年目の生存率が僅か5%と言われている業界の中で生き残っていくためには、本当の勝負はこれからで、とにかく十年間は、患者さんの信頼をコツコツと積み上げていこうと、院長の妻智美と話をしている所です。

臨床入門の授業でありました話で、「生き残りたかったら、腕の立つ治療家の先生が沢山いる中で、頭痛・肩こり・腰痛などの一般的な症状で勝負せずに、大先生がやっていない所で、戦略を立てないと、三ヶ月ももたない」と説明されていたのが、記憶に新しいです。

完璧な検査にあえて時間を費やし、施術をしなくとも、医師としっかり医療連携をする。人口の絶対数が多いとされている、膝に関する症状を得意分野とし専門化する。リスクが高いとされているマタニティー治療を、安全に治療できるようなメソッドを確立する。女性の患者さんが安心して、相談や治療が受けられる環境を整える。患者さんのニーズが高い、土日祝日や夜遅くまでの診療を実施する。リラクゼーションに負けない位のサービスや環境に投資をして提供する。など、生き残るためのヒントを授業中に紹介頂き、未熟な私たちが、何とか生き残るため、これをかなり意識しました。

さらに、業界内の患者さんのニーズを調査したコンサルティング会社の資料を片っ端から読みあさり、スマートフォン専用サイト、インターネット予約やクレジットカード決済のニーズがいずれも非常に高いとの事、こちらも導入致しました。料金は、長生医学会の先生のアンケートから、45分位で4000円が平均的な相場という事でしたので、純宏法師の教えである、「二」働いて「一」頂き、残りは徳を積むという事で、布施の精神で、私たちは、4000円で90分~120分の価格で設定させて頂きました。

妻智美が卒業後に取得した医療リンパドレナージの資格を活かし、医療関係者しか所属出来ないアロマ学会にも入会させて頂き、女性院長ならではの治療と謳い、マッサージ治療を通じた、産婦人科ケア・小児ケア・終末ケアによる地域密着型の三本柱のサービスを事業基盤として築いて参りました。結果、八割近い患者さんが女性で、子育てをしながら、場合によっては、親の介護もされている、お母さんやお嫁さん世代の方が中心となり、家族ぐるみで来院されるケースがほとんどとなりました。お陰さまで、開院の9時から閉院の22時まで、まだ一歳半の娘の面倒を見ながらなので、いち馬力ですが、全ての枠が埋まり、毎日一生懸命夫婦で力合わせて治療させて頂いている状況が続いています。

●経営を支えてくれているのが、地域のお母さんやお嫁さん

婦人科系の症状では、更年期、自律神経失調症、生理痛や内膜症、しつこい便秘、不妊症、マタニティー、産後のケア、乳腺炎、甲状腺機能異常症の患者さんが、主にリピートして来院されています。乳がん・子宮がん・卵巣ガンなどの手術で、リンパ節を摘出する事で起きるリンパ浮腫の症状を抱えた患者さんに関しては、医療リンパドレナージを受けられる治療院として、ありがたい事に、わざわざ倉敷や岡山市などの都市部から、1時間以上もかけて毎週通われている患者さんもいらっしゃいます。

小児科領域の相談で多いのが、夜尿症、先天性筋制斜頸、夜泣きや癇癪、心房(心室)中隔欠損の術後のケアです。少し成長して思春期位になると、突発性側湾症、オスグッドなどの成長痛、O脚、自律神経失調症、PMSなどの症状を抱えた患者さんです。厄介なのが、突発性側湾症のケースで、肋骨の隆起が確認できるので、整形外科と医療連携させて頂くための紹介状を書き、受診頂くようお願いをするのですが、子供は前を向いていても、お母さんが自責を止めないで、我が子が変形している可能性を受け入れる事が出来ずに、なかなか整形外科に行ってくれない事があります。夜尿症に関しても、まだ幼稚園にもなっていない我が子の夜尿症が治らないと、ヒステリーを起こしていたり、小児治療において、お母さんへの精神療法が、鍵を握る事が多いです。

終末緩和ケアの分野においては、必ずしも病床に倒れている患者さんだけでなく、これから看取ろうとしているご家族(主にお嫁さん)に対するケアも重要になってきます。地元の病院の医師の理解が得られ、医療リンパドレナージが保険適応になったケースもあり、依頼があった場合に施術させて頂くのですが、看病されているご家族が倒れては元も子もないという事で、メンテナンスがてら受けて頂くようお誘いするようにしています。このほうが、看病を受けている患者さんの気持ちも楽になるようで、健全な気がします。しかし、やはり一番難しいのが、寿命間近の患者さんへどうプラーナ(気功の一種)を分けさせて頂くかです。時には、燃える炎を触るような感触がしたり、ある時は、手がブラックホールに吸い込まれていく感覚がしたり、多くの気功師が、自らの寿命を縮めると嫌がる末期ガンの治療をさせて頂く時に、どう自分を守るかというのも課題の一つです。ご家族にできる事は伝授して、協力しながら操作すると、手元で異常な現象が起きずに、プラーナが大気から補えるような事もあったので、やはり鍵を握るのが、身近にいるお嫁さんをはじめとするご家族となってきます。

男性の患者さんでも、男女比関係なくリピートして通って頂けているのが、辷り症、脊柱管狭窄症、糖尿病、不整脈、遊走腎やIGA腎症などの腎臓疾患、逆流性食道炎や慢性胃炎などの消化器疾患、アトピーなどの皮膚疾患です。しかし、男女比を見ると、やはり地域のお母さんやお嫁さんが、私たちの治療院を支えてくれているコアな患者さんと言っても過言ではありません。

●「引き受ける」というキーワード

このような状況で地方の学会を迎えました。学会の論文発表のテーマが先天性筋性斜頸と摂食障害についてでした。いずれも女性や母性心理が複雑に絡みあう病態でありました。ぎっくり腰のように、技術を持って、小槌を叩けば、治るような病態ではありません。

どちらのケースでも、共通していたメッセージが、公人としての治療家が、家族を代表させて頂き、慈悲と愛情の心を持って、患者さんの症状を責任を持って引き受けさせて頂く事から、治療への道が開かれるという事でした。治療家が引き受けてくれるから、患者自らもその病態を引き受け、向き合う勇気が生まれてくる。そんな患者のひたむきな姿勢を見て、家族も拒んでいた病に対する考えを変え、患者と一緒に病を引き受け、向き合おうとする良い循環が生まれる。皆で拒もうとするから、病は滞り身体を犯そうとするし、皆で受け入れる事ができれば、プラーナの循環で、病は調和の中で代謝され、命の光がまた輝きを取り戻す。

「天に吐き出したツバは必ず自分に戻ってくる。しかし唯一、それを受け取れるのが愛の力である。」

学園長先生による、言葉を思い出しました。

●母性に根付いた真心の治療の必要性

しかしながら、男性である自分が、女性特有の悩みを聞き、真心通じた愛情で、患者さんと向き合う事ができるだろうか?

長生医学の講義の中で、男性には、常に心の隙があり、本当に真心に通じられるのは女性だけだと説いていらしていました。

不妊治療をさせて頂く過程で、毎月お腹を痛めて、出血させる事で「陰」の輝きとの繋がりを保ちながら、「陽」の光が射すのを願う、女性にしか分からない、男性が決して踏み入れてはならない、何か深い領域が、命の循環の中にあるような気がしてなりません。

最近は、男女平等と言われつつも、まだまだ男尊女卑の雰囲気が残され、私たちの業界も例外ではありません。私たち、全ての人が、母なる大地から産まれてきました。どこか、大道を外れてしまった現代社会こそ、母性に根付いた真心の治療を求めているのではないでしょうか。謙虚な気持ちで、女性治療師による一層のご活躍を願いつつ、私自身も、心の隙を埋められるよう継続して鍛錬して参りたいと思います。

医学会に参加させて頂いて〜長生の同志(スピリット)に励まされて

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